新卒採用とは、毎年同様の時期に一定数の人材を一括で採用する、日本ならではの採用方法を指します。基本的には、大学を卒業したばかりの学生をターゲットにして採用活動を行います。少子高齢化が進み、労働者人口が減りつつある日本では、若手の人材採用に力を入れ始めている企業も少なくありません。人材獲得の競争率が高まる中、優秀な人材を確保するには、新卒採用のターゲットとなる学生にはどういった特徴があるのかを知っておく必要があります。今回は、「Z世代の学生」に焦点を絞ってお伝えしていきます。
ー今の学生(Z世代)の特性ー
新卒学生には、大卒だけでなく高卒や専門卒も含まれます。1990年半ば~2010年代生まれのこれらの世代はいわゆるZ世代と言われており、多くの情報に触れて生活してきたことで、ミドル世代と比較すると様々な違いがあります。まずはその違いについて見ていきましょう。
1. マスメディア離れの顕著化
従来であれば、テレビや新聞を通じて情報収集することが当たり前でしたが、Z世代においてはYouTubeやSNSの視聴時間がとても多く、これらの媒体を通じて情報収集を行っています。情報過多の環境で育っているZ世代には、「自分に必要な情報を取捨選択して収集する」というスキルに長けている傾向があると言われています。
2. 社会問題への関心と、社会貢献への欲求
Z世代には、これまで以上に社会問題への関心が強い傾向があります。近年ではHOTワードになっている「SDGs」もその一つです。小学生の頃から地球温暖化という言葉を教育の場で多く耳にし、省エネやエコといった生活習慣を教育されてきています。また東日本大震災などの自然災害も年々と増えてきていることからも、こういった社会問題に対しての関心や参画欲求が高くなってきています。
3. 多様性やダイバーシティという価値観
コロナ前は、海外に留学したり旅行に行くことへのハードルが低くなっていたため、自身で国外の文化に触れるほか、日本にも留学生や外国人観光客が増えていました。また、LGBTといったジェンダー問題にも敏感な世代でもあるため、皆と一緒ではなく「個」を大切にし、自分らしく生きられる・働ける環境を求める人が多くいます。
ー新卒学生の特徴ー
前半では若者と言われるZ世代の特徴についてお話をしてきましたが、実際に採用のターゲットとなる新卒学生にはどんな特徴があるのでしょうか。
ここからは、中途採用と比較してお話をしていきます。
1. 正社員として仕事をした経験がない
当たり前のことですが、ですが3月まで学生であった新卒学生には、アルバイトの経験はあっても、正社員としての経験はもちろんありません。
中途採用であれば、今まで1つの会社に属して働いた経験があるので、前職での常識や習慣によって、自社のやり方に合わせることが難しくなりがちです。
だからこそ、新卒学生は「常識」や「習慣」に縛られることなく、自社の色に染めていくことがしやすくなります。
2. 社会人としての比較・判断基準を持たない
転職活動においては、その企業の安定性や成長性を図るために、売上高や給与、規模などを指標として企業選びをする方も少なくありません。しかし、新卒学生においては一般的に持たれる基準ではなく、「社風」や「社会貢献性」など社会人として上手くやっていけるかどうかという自分視点での判断基準が多くなります。(※)ですので、企業規模に関わらず自社の魅力を存分にアピールすることが可能です。※株式会社ディスコ 1月学生モニター調査結果
3. 自分個人の価値観で条件や場所を選べる
前述に似た部分ではありますが、最近まで学生であった新卒学生には、配偶者や子供といった存在が一般的には少ないため、安定性や成長性だけでなく、働き手自身の価値観や想いで働く条件や場所を選ぶことができます。会社説明会や選考時などに、働き方や会社としての想いなどを強調することで、より魅力的に見せることもできます。
ーまとめー
ここまで、現在の若者の特徴と新卒学生の特徴の2点についてお伝えしてきました。
目まぐるしく社会情勢が変化していく中、私たちの想像を遥かに超えるスピードで若者たちのトレンドも変化していきます。少子高齢化が進む中で、新卒採用をやっていくにはターゲットとなる学生たちについて理解している必要があります。
新卒採用をやったことがある企業様もそうでない企業様も、自分たちの採用に囚われるのではなく、現在の学生にあったやり方やアプローチをすることで、より自社を魅力的に見せる
ことができます。
現在の学生についてより知りたい、新卒採用をやったことがないけど気になっている
などそんな想いを持っているかたは、ぜひ担当までご相談くださいませ。