評価制度について
今回は皆様からよく頂く「評価制度」に対する素朴な疑問に対してお答えしていこうと思います。
一番多く頂く評価制度に対する不満として挙げられるものに「評価制度を導入すると時間や手間がかかる…」というものが挙げられます。
では、これは本当なのでしょうか?
私としての回答は、YESでもありNOでもあります。
どっちつかずと思われるかもしれませんが、これが事実です。
では、その理由を解説していきます。
まずは、YESの理由ですが、制度を作るわけですから、
そこに対する時間や労力は当然かかります。
また、制度を運用する中で、「評価を行う時間」や「フィードバックの時間」などこれまでに行っていなかった仕事が増えるわけですから、当然、時間や手間が増えます。
ここまでの話は誰でも分かることで、YESの回答になるのも当然です。
では、NOの理由は何でしょう?
その前に、そもそも「評価制度」は誰の為に?何の為に?作る必要があるのでしょうか?
一般的には社員の皆さんの為に「道しるべ」や会社としての「基準や指針」を明確にして、
仕事の頑張り方や将来への不安を少なくする為。と考えるケースが多いです。
しかし、実際に評価制度を導入し、しっかりと運用をされている会社では、精神的に一番楽になっている方は、実は経営者をはじめとする経営幹部・リーダー層の方々というケースがほとんどです。
経営幹部やリーダー層の頭の中を分析すると、45%が人に関する悩みという調査もあります。
これは、業績好調な企業の数値ですが、赤字の企業の経営幹部やリーダーでも30%が人に関する悩みに頭を使っています。
本来は売上づくりや顧客開拓に頭をもっと使わないといけない状態の企業ですら、30%もの頭を人に関する悩みに使っているのです。実に非効率な話です・・・
一方で、評価制度を導入することで、「会社と社員の壁」「何をがんばったら評価されるのか分からない」「どうしたら給料が上がるの」「社長が何を考えているか分からない」「この会社でやっていても成長できない」「目指すべきベクトルがバラバラ」といった「人に関する悩み」を解消することが可能となり、経営層として理想とされる人に関する悩みの比率を15%に抑え、残りの時間を「会社の未来を創る為の活動」へと投下することが出来ます。
その為、実は評価制度を導入することで一番楽になるのは経営幹部やリーダーの皆さんなのです。
表面上の作業や投下時間だけでは測れない、皆さんが日常使っている頭は今どこに向いていますか?
「未来を創る為の活動」よりも「人に関する悩み」に向いているようであれば、本気で評価制度の導入を考える時期かもしれません。